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お知らせ(トピックス)

【2024.07.29】第25回サロン・ド・外語「グローバル組織のリーダーって、どんな人?」開催報告

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東京外語会キャリア支援委員会と東京外語会プラザは共同で2024年7月20日(土)午後、第25回サロン・ド・外語を東京外国語大学府中キャンパス・アゴラグローバル3Fのプロジェクトスペースで開催した。今回は「グローバル組織のリーダー」がテーマで、在校生21名、卒業生29名の計50名からエントリーがあり、最終的に41名が参加した。

キャリア支援委員・藤田智子理事(D1982)の司会進行のもと、先ず主催者を代表して北昌宏キャリア支援委員長(F1976)が挨拶、続いて本学の藤縄康弘教授(D1991)が学生のニーズにマッチした外語会の様々な活動に対し謝意を述べた。その後、今回の企画を担当した新理事の小林美恵子理事(R1985)が登壇し、東洋経済新報社刊『役員四季報』2024年版から抜粋した本学卒の役員リスト21名を示しながら、その中の女性役員である浦野邦子氏(D1979)と四方ゆかり氏(T1987)を紹介。セッションⅠの二つの講演をプロデュースした意図を説明し、プログラムが始まった。

元コマツ取締役(人事・教育、広報・CSR、安全・健康管掌)現森永製菓・横河電機・日本製鉄社外取締役の浦野氏は「仕事と共に成長する~企業での経験を通して~」と題して講演した。コマツがグローバル化への変遷を辿る中、1979年の入社以来、人事部教育課を振り出しに、1991年国際事業本部欧州オペレーション部、1994年生産本部生産管理部主査、1999年大阪工場企画部担当部長、2005年生産本部物流企画部長、2010年コーポレートコミュニケーション部長、2011年執行役員、2014年人事部長、2016年常務執行役員、2018年取締役と自分自身が関わってきた仕事を振り返りながら、「会社の中には想像以上に様々な仕事がある。オファーが来たら、断らない。日々の仕事に真摯に取り組み、好奇心を持ち、人間性を磨いていってほしい」と激励の言葉で締めくくった。

次に元GE横河メディカルシステム(現GEヘルスケア)取締役人事部門長、元AIU保険人事担当執行役員、元マイクロソフト執行役人事本部長、元グラクソスミスクライン人財本部担当取締役で現在は関西ペイント取締役、日本電子社外取締役の四方氏が登壇し、「多国籍チームにおけるリーダーシップの秘訣」をテーマに講演。四方氏は「グローバルな会社で働くには、Logicをもって説明することが大事で、異文化に対する配慮と理解が必要、自分の強み・専門性を持つべきだ」と話し、「グローバルチームでのリーダーシップには、人間として信頼できるかが問われる」と語った。

小休憩を挟み、セッションⅡでは人事プロフェッショナルによるパネルディスカッションを行った。小林氏がモデレーターとなり、パネラーには四方氏に加え、三井海洋開発人事部開発グループマネジャーの伊藤隆廣氏(K1999)、クライス&カンパニーの清水大介シニアヴァイスプレジデント(S2009)が登壇。グローバル組織のリーダーを育成するための取り組みやリーダー候補となるような人材等について討議した。四方氏は「グローバル組織ではリーダーに何を求めるのか、言葉として明確で(リーダーシップバリュー)、公になっており、それに即して人物を判断する」と述べ、GEでの経験を披露した。伊藤氏は「組織として成果を出せる人がリーダーであり、decisiveな人がリーダーとは限らない。自分の仕事だけでなく全体を見渡せる人がリーダーに相応しい」と語り、リーダーをリクルートする立場の清水氏は「リーダーを経験しないとリーダーにはなれない。若いうちに海外でマネジャーを経験した人の方がリーダーとして成長するようだ」と話した。

続いて質疑応答に移り、会社を辞めていこうとする人にどう対処すれば良いかという質問に四方氏は「人材の確保(retention)は人事戦略の要で、次にまた戻って来たくなるように関係性を保つ」と回答。小林氏は「人は人が原因で辞める。1on1を実施して、業績フォーカスからpeople focusに改め改善した」とデロイトでの経験を語った。またリーダーがモチベーションを失った時への対応についての質問では、伊藤氏は「リーダーに対する批判をものともしない体力、気力のある人が生き残るレジリエンス(回復力)の問題だ」と指摘し、四方氏は「正にリーダーの上司の出番、上司に相談すると良い」とアドバイスした。

最後に卒業生2名からもグローバルビジネスへのコメントがあり、飛び入りで参加した寺田朗子理事長(F1975)の中締めの後、外大生同士で暫し懇親・交流の時を過ごした。

全体統括 : 藤田 智子・D1982
文責:奥川光昭・E1973
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