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ご挨拶

理事長
一般社団法人 東京外語会
理事長 小林 文彦
(外国語学部ロシア語 1980年卒)
伊藤忠商事株式会社元代表取締役副社長CAO、現顧問

このたび、東京外語会の理事長を務めることとなりました小林文彦です。
1980年に東京外国語大学を卒業して以来、半世紀近く民間の企業人として、国内外のさまざまな地域や人々と仕事をしてまいりました。今般外語会の仕事をさせていただくに際し、改めて自らの歩みを振り返りますと、東京外国語大学で学んだことや経験が、その後の私の仕事や人生の中で、大きな礎になったと痛感しています。

外大生が学んだことは、「コミュニケーションを取る」だけの外国語の習得ではなく、双方が「理解する」ための外国語でした。その言葉の背景にある歴史、文化、宗教、民族の組成など、自らと異なる出自、価値観への理解を深め、ともに仕事をする力を身に着けることだったのではないでしょうか。国際情勢が益々混迷化する中で、”understanding“という文脈は、正に今その真価が問われています。コミュニケーション手段としての外国語は早晩多くがAIの仕事となるでしょう。東京外国語大学が長年培ってきた教育と精神は、新たな時代に向け、岐路に立つと同時に、より大きな意義を持ち始めたのではないかと思います。

外語大にはもう一つ、他大学にはなかなか見られない大きな財産があります。それは、卒業生の多彩な広がりです。
外語大は卒業生の同窓意識が爾来強力ではないこともあって、同窓の絆を普段はあまり感じておられない方もおられるでしょう。私もかつてはそうでした。しかし、年年歳歳、母校愛を持つということは、自分が青春時代に過ごした時間に対しての慈しみを持つことに通じると感じるようになりました。どういう青春であれ、外大生であった多情多感な時代を皆それぞれが生き抜き、今ある人格や教養を身につけられたはずです。
卒業生は、外交、ビジネス、研究、教育、文化、報道、国際協力など、実に幅広い分野でグローバルに活躍しています。それぞれが社会の中で積み重ねてきた経験、知識、人とのつながりは、外語会にとって大切な財産です。
私は、これらの財産を、外語大ならではの人的ネットワークを通じ、母校のため、同窓生のため、そして未来の同窓のために、世代を越えてつなぎ活かしていくことこそ、長年多くの先輩方が築いて来られ、私がしかと受け止めるべき東京外語会の使命であると考えています。

「外語会は私たちみんなの会」です。
外語会は、卒業生同士が親睦を深める場であると同時に、卒業生と在学生をつなぐ場でもあります。学生の皆さんには、さまざまな分野で活躍する先輩との出会いを通して、自分の将来を考え、可能性を広げていただきたいと思います。
一方、卒業生の皆さまには、これまで培ってこられた経験や知見を、ぜひ次の世代に伝えていただきたいと願っています。

最後に、卒業生の皆さま、在学生の皆さん、そして東京外国語大学を愛するすべての方々にお願いです。
東京外語会をより皆さまの身近な存在としていただき、同窓であることを誇りに感じていただき、それぞれの立場からお力を寄せていただきたいと願っております。
今後ともご理解とご支援を賜りますよう、心よりお願いを申し上げます。

小林 文彦(こばやし ふみひこ)