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お知らせ(トピックス)

【2026.03.26】【イベントレポート】春名学長を囲み「キャリア相談員 情報共有会」を開催しました

2026年3月21日(土)、アークヒルズクラブ(東京都港区)にて、東京外国語大学春名展生学長をお招きし、「キャリア相談員 情報共有会」を開催いたしました。

本会は、刻々と変化する社会情勢の中で、母校・東京外国語大学がどのようなビジョンを掲げ、学生のキャリア支援をどう進化させていくのかを共有・議論する場です。当日は、学長、アラムナイ室長、大学院キャリア支援担当教員に加え、実務の最前線で学生をサポートするキャリア相談員ら計26名が集まりました。

春名学長の提言:「大学院改革構想」

会では、春名学長より「大学院進学の標準化に向けて」と題したスピーチが行われました。

学長は、2026年から本格化する「大学淘汰の時代」を見据え、本学の抜本的な改革案を提示。その背景には、中央教育審議会(文部科学省)の答申(※リンク)で示された「知の総和」の維持・向上という国家戦略があります。

これは、人口減少社会においても我が国全体の教育・研究水準を落とさないよう、国立大学の学士課程(学部)を適正化する一方で、修士・博士課程への重点化を図るという基本方針です。本学では、この方針を踏まえ、2030年の定員増を目指す大学院改革構想を検討しています。


この構想は、高度な専門性と実務能力を兼ね備えた人材を育成するものです。これまで「学部卒」が主流だった本学のキャリアパスを塗り替え、大学院進学を社会の「標準」として定着させていきたい――。そんな学長の力強い説明に対し、キャリア相談員たちも、社会の現場からのリアルな見解をぶつけました。

「世界のフィールド」を知る実務家としての指摘

質疑応答では、国際機関やグローバル企業など、まさに世界の第一線で活躍しながら学生のキャリア形成を支援する相談員から、現場の実感に基づいた極めて具体的な発言が相次ぎました。

その中でも、学長が「外大生の適性が高い」と期待を寄せる国際機関へのキャリアパスに関する議論は、特に鋭い指摘がなされた場面でした。長年グローバルな金融企業に身を置いてきた相談員のひとりからは、「国際舞台の正規職員として通用するためには、単なる語学力だけでなく、英文での修士論文執筆経験や、高度なディベート能力が不可欠で、バックオフィス業務であってもその基準は厳しく、今の日本の学生はその点をさらに強化しなければ太刀打ちできない」という、切実な現状が共有されました。

大学教育の「再生産」を乗り越える挑戦

これを受け、春名学長からは教育現場の「内側」にある課題についても率直な言及がありました。

学長は、本学が米国の複数の大学と実施したCOIL(Collaborative Online International Learning、オンラインを活用した国際的な双方向教育手法)型授業の事例を挙げました。そこでは本学の学生、特に日本人学生は、現地の学生とのディスカッションに圧倒されてしまう状況が見受けられたといいます。学長は、この要因が日本の大学に根強く残る「教員が話し、学生が聞く」という講義形式の再生産にあるとの認識を示しました。

その上で、国際日本学部の事例を引き合いに、多様な国籍の教員によるディスカッション中心の授業を全学へ広げ、学生が「議論するために教室に来る」環境への質的転換を図ることで、こうした構造的課題を解決していく方針を説明されました。

世代・業界を超えたネットワーク作り

後半は、学長・教員と卒業生が垣根を越えて交流・懇談しました。その後のアンケートでは「母校が明快なビジョンを持って変革していることに感銘を受けた」「相談員同士の勉強会を通じて、より実効性の高い支援を行いたい」といった前向きなフィードバックが寄せられました。


東京外語会キャリア支援委員会は、これからも大学と密に連携し、学生たちが自信を持って社会へ羽ばたけるよう、卒業生の知見を結集したサポートを続けてまいります。

報告: キャリア支援委員 山田智子(ロシア語2004年卒)
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