2026年9月8日(火)18時30分より、虎ノ門ヒルズステーションタワー20階会議室において、第28回サロン・ド・外語「士業の会」が開催され、東京外語会(以下、「外語会」)関係者9名を含む、同窓生38名と山口登之東外大アラムナイ室長が参加しました。
東京外国語大学(以下、「東外大」)同窓生と士業資格者は馴染みのない関係のようですが、言語を基本とする諸外国の幅広い知識を強みとし、専門分野で活躍している士業資格者が少なからずいますので、「士業の会」を初めて企画しました。
■士業の会 18時30分~19時15分
小林文彦理事長(R1980)挨拶:
2026年総会で外語会理事長に就任し、改めて同窓生の多彩さを知りました。今回の「士業の会」では、参加者の方々の入学後士業を志した熱意や情熱、モチベーション等を聞きたいと思います。社会生活46年目の私も37年前に営業から管理部門に異動した際、営業以外の知識が脆弱であることに危機感を覚え、意欲的に勉強して行政書士の資格を取りました。
AIによるコミュニケーションツールの誕生で、外国語の希少価値が失われつつあり、同窓生のアイデンティティが揺らいでいますが、こんな時だからこそ、言語の底流に流れる教養や人的ネットワークが強調されてくると思います。
同窓生の職業多様化は進んでいますが、今回多くの士業の方々が集まったことに驚いています。「士業の会」が外語会の中で周知されれば、同窓生の認識も進み、士業の方とそうでない方との新たな関わりが生まれ、今後同窓会としての役割が膨らんでいくと考えます。
このような素敵な企画を有難うございました。
発起人挨拶①「士業の会」の趣旨とコンセプトの説明(小池赳司・K2006):
士業連携と可能性~東外大出身プロフェッショナルの新たなつながり~
① 東外大士業とは何者か(語学・地域理解と士業の専門性を併せ持つ「ポリマス」)
複数の領域に専門性を持つ人、すなわち、東外大で培った語学、地域、文化への深い理解と士業として積み重ねた高度な専門性、さらに事業会社、海外生活、独立など様々な現場経験が一つの人格の中で重なっている人です。
② 東外大士業には強みがある(掛け算による母集団の減少で、市場価値が上がる)
事例として私のことをお話ししましょう。専攻語を活かそうと韓国系企業に入社したものの、スキルアップを目指し、公認会計士資格を取得後、大手監査法人に入所しました。株式公開部門に配属されましたが、リーマンショックで株式公開件数が一桁まで落込み、監査業務が中心となりました。そんな時韓国語ができる公認会計士として、韓国系クライアントの業務を引き受けることになり、その後独立しました。
独立後は、不正調査やデジタルフォレンジック(コンピュータやスマホなどデジタル機器に記録されたデータを科学的に回収・解析し、事件や不正行為の真相を明らかにするための法科学的調査技術)にも領域を広げ、専門性と現場経験を掛け合わせることで仕事の競合が減っています。
③ まずは、つながりをつくる(有機的なつながりから、実際の仕事のやり取りへ)
東外大出身の士業は各分野に分散し、お互いを知る機会は殆どありませんでした。東外大は非常にアカデミックな大学で、外務省や商社には結構同窓生がいますが、先輩に相談できる環境が整っていないため、士業資格者を目指すことは選択肢にありませんでした。
「士業の会」の目的は、顔と専門分野が分かる環境を整備し、実際の仕事のやり取りにつなげ、後進の相談相手になれる場を提供することです。
④ より大きなテーマを扱う場へ(早稲田会議のように、社会に対して発信できる組織を)
他大学の同窓会組織として、早稲田会議を紹介します。早稲田大学卒業生には経営者が多く、早稲田会議は、同窓会の枠組みを起点に、各界の実務家が社会的なテーマを議論し、発信する場になっています。
東外大も、グローバルな視点から社会的なテーマを発信していくことができるのではないでしょうか。何ができるかは「士業の会」参加者と一緒に確かめていきたいと思います。
発起人挨拶② ~本会に寄せる思い~:
(泉登茂子・F1974)
仏語のブラッシュアップを目指し、フランスの地方大学に留学、1年目は南仏で地域生活や文化を理解し、2年目にパリの専門学校で教職資格を取得しました。帰国後、専門学校で仏語教育に従事、偶然目にした士業特集に興味を持ち、バブル崩壊間近に公認会計士資格を取得後、大手監査法人に入所しました。
仏系企業の監査を担当し、ODA案件ではモロッコ公営企業の現地財務調査を行いましたが、業務は主に英語、USCPAに全科目合格し、10年目に監査法人を退社して、NYに本社のある一般事業会社内部監査部にインターンシップとして所属しました。
9.11を機に帰国して独立、中小企業の公開業務に従事した後、中小監査法人で海外子会社のある上場企業や外資系企業の監査をするとともに、地方公共団体の包括外部監査等をしています。
グローバルな視点を持つ公認会計士が育ってほしいと願い、「士業の会」の発起人となりました。
(大日方晃・E2014)
東外大同窓生の進路として、士業資格者は少数派ですが、だからこそ、語学のバックグラウンドを共有して、横のつながりを作っていけば、その結束が強固なものになるものと思い、「士業の会」を企画しました。
この会を通じて、士業資格者がネットワークを作り、仕事のやり取りや現役学生の支援にもつなげたいと思っています。
(藤田智子・D1982)
質の高いイベントを創出し、外語会のブランディングを図ってきましたが、「士業の会」を望む声を聞いて、この会を企画しました。セレンディピティ(素敵な偶然に会うこと、予想外のものを発見すること)という言葉を大切にしており、この出会いの場で宝物を見つけ、参加者の手で「士業の会」が発展していくことを願っています。
懇親会会場となる日本ビジネスシステムズ株式会社(JBS)は福利厚生で著名な会社で、この社員食堂Lucy’s Tokyoはビジネスモデルという視点で見てください。
参加者自己紹介(1人30秒以内x34名):氏名、卒業年次、専攻語、一言自己紹介
参加者の専攻語学は多岐に渡り、弁護士、公認会計士、税理士、司法書士、行政書士、弁理士、社会保険労務士、中小企業診断士等各士業にバランスよく分散、年齢層も20~70歳と幅広く、2000年以降に卒業された方とそれ以前の方が凡そ半々でした。これから士業に挑戦したいという卒業間もない同窓生も参加し、外語会の縮図のようでした。
■懇親会 19:25~21:00
参加者全員が会議室からLucy’s Tokyoに移動を完了し、改めて小林理事長のご挨拶とそれに続く乾杯のご発声で、飲食及び歓談タイム開始。お互いに言葉を交わしながら、名刺を交換し、食卓を囲む輪が広がっていきました。ビュッフェ形式の種類豊富な夕食を堪能しながら、和気藹々とした雰囲気が広がり、この会への期待が高いことを感じました。
小池理事による中締めに合わせてデザートが準備され、参加者の話は撤収時間まで尽きませんでした。
■アンケート結果
集計結果は以下の通りです。
この会に参加した目的は、「同窓の士業とのネットワークづくり」と「他分野の専門家との情報交換」、「同窓会・母校とのつながり」を求める参加者が多く、満足度は「満足」と「やや満足」を合わせると94.3%に達しました。全体の時間や時間配分、会費についても80%以上の参加者が満足、97.1%の参加者が「また参加したい」と回答しています。
今後ニーズに沿った方向性を展開し、「士業の会」を発展させていきたいと思います。
発起人:小池赳司外語会理事(公認会計士・税理士K2006)、大日方晃同理事(弁護士E2014)、
藤田智子同元理事(D1982)、泉登茂子同監事(公認会計士・税理士F1974)
文責:泉登茂子
お知らせ一覧に戻る