東京外語会キャリア支援委員会と東京外語会プラザは共同で2024年3月9日(土)、ランチョンミーティング形式で第24回サロン・ド・外語をアークヒルズクラブ37F(東京都港区)で開催した。2018年2月以来、6年ぶりの対面イベントで、東京外国語大学の成瀬智理事、在校生26名、卒業生22名の計49名が参加した。
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藤田智子キャリア支援委員(D1982)の企画・プロデュース・司会進行のもと、先ず大学で社会連携を担当する成瀬理事が挨拶。次に主催者を代表して北昌宏東京外語会キャリア支援委員長(F1976)が既に始まっている就職活動に向けた外語会の支援体制について語った。ランチの後、「総合商社・資源エネルギー・エンジニアリング産業のリアル」をテーマに二つの基調講演が行われた。初めに株式会社商船三井エネルギー営業戦略部主席ストラテジストの丹本憲氏(Po1980)が「脱炭素に向けて、非財務情報の重要性とESG投資」と題してスピーチ。気候変動の専門家として企業の業績や株価だけでなく、気候変動など環境問題(E)、人権等の社会問題(S)への対応、企業統治(G)や企業文化といった非財務情報に着目した投資の流れについて解説した。各講演のレジメは今回、受付時に配布されたチラシのQRコードからスマホにダウンロードして各自がその場で確認できるようにしたと藤田キャリア支援委員が紹介した。続いて日本経済新聞社上級論説委員兼編集委員の松尾博文氏(A1989)が登壇。「エネルギー転換を切り拓く~商社・エネルギー・エンジニアリング産業」のタイトルで講演した。松尾氏は「資源とエネルギーは経済・社会の血液であり骨格である」と述べ、脱炭素時代を切り拓く新技術や新ビジネスの実例として上流から下流に至る総合商社やエンジニアリング会社の役割と現状を説明した。
そして業界OBOGによるトークセッションに移った。リサーチエージェントサービスを手掛ける株式会社ICHINOYA代表取締役CEOの福田大記氏(F2010)がモデレーターを務め、三菱商事株式会社広報部の眞鍋光一氏(E2008)、独立行政法人エネルギー金属鉱物資源機構(JOGMEC)調査部調査課長の原田大輔氏(H1997)、日揮グローバル株式会社営業本部Region A営業部シニアマネージャーの北越克幸氏(A2007)の3名がスピーカーとして登壇した。眞鍋氏は総合商社で入社来原子力関連、太陽光発電等を担当し、アジア各国に駐在した経験や時代によって揺れ動くエネルギービジネスについて語った。また原田氏は「more energy, less carbon」という中で脱炭素を目指すことと企業の利益との相克や、国益と民間企業の間で派生する様々な問題等について話し、北越氏はプラント建設がミッションを踏まえたソリューションであり、社会の安定に寄与するものであると力説、トークセッションは1時間以上にもわたりは盛り上がった。その後、学生さんからの質疑応答を実施。なぜエネルギー関連の会社に就職したのか? どの様に企業を選択したのか? など今、正に就活中の学生さんの切実で鋭い質問もあった。さらに出席者の内、総合商社・資源エネルギー・エンジニアリング各業界のOBOG数名からも一言ずつコメントがあった。
続いて東京外語会プラザの沢村智恵子さん(D1982)が府中キャンパス内にある外語会プラザの就活支援活動などについて説明した。また藤田キャリア支援委員からは「キャリア相談員制度」の活用法について案内があった。最後にアークヒルズクラブメンバーで元商船三井副社長の小出三郎氏(S1971)が「学生さんも卒業したら一生、外大卒なのでご縁を大切に今後もお互いネットワークを広げよう」と中締めの挨拶。その後、参加者らは自由に席を立って移動し、名刺交換をしながら懇談の輪を広げ、異業種交流の機会ともなったサロン・ド・外語は盛況のうちに終了した